企業経営に携わる方ならば、「反社チェック」という言葉はご存知でしょう。万が一ご存知ない方がいらっしゃいましたら、これを機に反社チェックの重要性を認識いただければと思います。

反社チェックとは、取引先と反社会的勢力(反社勢力)である暴力団や詐欺グループとの関わりの有無を確認することです。仮に反社勢力と知らず取引を行った場合、意図せず彼らに資金を提供し、活動を支援することに繋がります。すると、取引を行った企業も行政処分、上場廃止、融資停止などの対象になる可能性が高く、企業の存続に大きな影を落とします。そのため、取引先が反社勢力と通じているか否かをしっかりと把握しておくことは、企業を守ることに繋がります。

反社チェックは、綿密に行うとなると高いコストや手間がかかります。そこで、まずはコストが低く、手間を必要としない方法を用いた調査から始め、予測される危険度に合わせて徐々に詳細な部分まで調査する方法に移行していくことが推奨されます。

1、ツールなどを用いた情報収集

ほとんどの企業では、まず以下の方法を用いて情報収集を行います。
・GoogleやYahoo検索など、インターネット上の情報検索ツール
・日経テレコンやG-Searchなどの新聞記事データベース
・反社ワード記事検索などの反社チェック対策用データベース

反社チェック対策用データベースとは、公知情報から収集した反社勢力に関する情報をまとめたもので、リスクモンスター株式会社のような企業から提供されています。これらのうち、2つ以上の方法を併用することで精度が上がります。特に、反社チェック対策用データベースは、他2つの方法と比較して、スピーディーで簡単に、かつ重要な情報の収集を行えます。反社チェック実施の際には、ぜひ取り入れましょう。

2、調査会社・興信所へ依頼

1を行った結果、取引先が反社勢力と通じている疑惑を持った場合は、専門調査機関を利用しましょう。1に比べて高いコストや長期の調査期間、手続きなどを行う手間が必要です。その手間やコストから、企業合併や買収など、以後の経営に多大な影響が出る場合を除き、専門機関に調査を依頼する企業はそれほど多くないと言われています。

3、警察へ相談

1、2の調査を実施した後、極めて危険度が高いと判断したならば、取引先と反社勢力との関係を示す資料を警察に持ち込みます。その際は、調査対象の氏名や生年月日、住所などの詳細な資料を作成しましょう。裁判において、取引先と反社勢力との関係性が認められなければ、関係を断つ際に損害賠償金を支払うリスクが発生します。確実性を求めるならば、まずは暴力団追放センターに相談しましょう。調査対象が反社勢力と通じていることを特定できる可能性があります。

反社チェックは、企業を存続させるために欠かせません。特に、新しい取引先を得る際は必須と言えるでしょう。少しでも疑惑がある場合は、少々のコストや手間を惜しまずに、しかるべき機関へ依頼・相談をすることを推奨します。